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HINTサステナ情報のヒント

他の企業は取締役会でどのような話をしているのか?

ガバナンス / コーポレート・ガバナンス

8月13~15日の3日間はお盆期間ですので、気楽にお読みいただける内容を書いていきたいと思います。

本日は、最新の有報を確認するなかで気づいた、ご参考になりそうな事例をご紹介させてください。

実効性を見せるなら「付議事項の絞り込み」を訴求したいけれど

サステナビリティレポートや統合報告書で、コーポレート・ガバナンス――特にその実効性について強調したいとき、私たちが制作会社としてご提案することのひとつが、取締役会の「議題」や「付議事項」の書き方の工夫です。

ご承知のように、取締役会の議題は、近年、削減が求められています。

社外取締役の構成割合が大きくなる中、取締役会で審議する事項は「社外取締役が議論に加わる意義がある」内容にすることが必要であることが、背景にあります。

こうした中、

  • 業務執行に関する事項は取締役会から経営会議等の機関へ(大幅に)権限を委譲
  • 取締役会では、中長期的な経営戦略等の議論を充実させる

といった形に機関設計を変更し、開示においてもそのように説明される企業さまが多いです。
(きっと、御社様でもそうですよね…!)

 

一方で「取締役会が責任を持つべき」内容は増加しているような…?

とはいえ、一方で。

たとえば、今年度(令和6年度)調査から、健康経営銘柄2025/ホワイト500として認定されるためには「健康経営推進に関して、経営レベルの会議で議題にしている」ことが要件になるようだとのがあったりするなど、

なんだか「取締役会が責任を持つべき」とされる内容はあちこちで増えているようにも感じるのです。

こうした環境のなかで、企業の担当者さまとしては、「取締役会への付議事項はどのような内容やバランスにするべきか」「どのように開示をすれば良いのか」と悩まれる場面もあるのではないでしょうか。

 

ご参考になる開示のベストプラクティスを見つけました

そんなお悩みをお持ちのご担当者さまへ。

もしかすると、三井物産株式会社さんの第105期(2024年3月期)有価証券報告書 での記載がご参考になるかもしれません。

p102、②当社におけるコーポレート・ガバナンス体制(a)取締役会の状況の中に、

  • 取締役会での主な審議テーマ・付議報告件数及び社外役員向けの共有件数
  • 取締役会への主な付議・報告事項(2024年3月期)

 

の2つが、色付きのグラフと表で掲載されているのです。
(前年度の有価証券報告書には載っていなかったので、直近期からの工夫ではと存じます)

 

上のグラフを見れば、

  • 過去3年間の付議件数は減少し続けている
  • 過去3年間で審議テーマは個別案件が件数・割合とも減少。一方で、経営戦略・サステナビリティ・ガバナンス関連やリスクマネジメント・内部統制・コンプライアンス関連などは相対的に増加

 

ということがわかりますし、

下の表を見れば、直近年度では各審議テーマの中で、具体的にどのような内容が話し合われたのかがわかります。とても素晴らしい工夫だと思いました。

 

権利の関係で図表の転載は避けますが、よろしければぜひご覧ください。
ご参考となりましたら幸いです。

 

それではまた、次回のブログで。

 

執筆担当:川上 佳子

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執筆者

  • 代表取締役 福島 隆史

    公認会計士。2008年、SusTBを設立。企業の自主的かつ健全な情報開示をサポート。

  • 川上 佳子

    中小企業診断士。銀行、シンクタンク勤務を経て2002年より上場企業の情報開示を支援。