1月中旬頃から IR & サステナビリティ界隈ではひとしきり話題になっていましたが、ついに日経でも報じられました。
「実質株主」把握しやすく、企業に開示請求権 法改正へ (日経電子版、2025年1月29日)
政府は株主名簿上の株主の背後で事実上の議決権をもつ「実質株主」を企業が把握しやすくする。企業が名簿上の株主に実質株主の情報を請求できるようにするための会社法改正をめざす。開示の求めに応じない場合には過料や議決権の停止といった制裁を想定する。
これは、今年(2025年)1月17日に公表された
「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会 報告書
の中で提言されていた内容のひとつです。
要は、「実質的な対話を、エンゲージメントを」と企業に求めるならば、
その対話相手の顔が見えるようにするのは当然でしょう?という話で。
この分野って、(企業のIRご担当者様は先刻ご承知のことと存じますが) 民間の「株主判明調査サービス」が荒稼ぎしてきた(割には判明率はそれほど大したことはない)ので、個人的には、良い動きだと思っております。
資料:経済産業政策局 産業組織課 『「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会 会社法の改正に関する報告書の概要』(2025 年1月17日)
『「稼ぐ力」の強化に向けたコーポレートガバナンス研究会』がこのたび、会社法改正案として提案する内容はかなり多岐にわたっており、なかにはびっくりするような内容のものもありますので、まだご覧になっていない方は、下記資料にあらかじめお目通しいただくと良いかもしれません。
もちろんこれらは経済産業省としての案であり、会社法改正の権限を持っているのは法務省の法制審議会ですので、上記提案のどれがどこまで実際に会社法改正に反映されるかはわかりませんが、
注目したい動きであることは間違いありません。
私も大いに関心をもって経過を見ていきたいと思います。
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それではまた、次回のブログで。
執筆担当:川上 佳子
代表取締役 福島 隆史
公認会計士。2008年、SusTBを設立。企業の自主的かつ健全な情報開示をサポート。
川上 佳子
中小企業診断士。銀行、シンクタンク勤務を経て2002年より上場企業の情報開示を支援。