1月14日付で「コーポレートガバナンス・オブ・ザ・イヤー2024」(主催:一般社団法人日本取締役協会、後援:経済産業省、金融庁、法務省、東京都、東京証券取引所/日本取引所グループ)の受賞企業が発表されました。
Grand Prize Company:
特別賞・経済産業大臣賞:
特別賞・東京都知事賞:
受賞された企業様、おめでとうございます。
同日、経済産業省からもリリースが出ていました。
今年度の経済産業大臣賞選定理由は「社長・CEOの選任・後継者計画において、先進的な取組を行っており、実効的に運営されている企業」とのことで、
受賞された横河電機さんの評価ポイントが詳しく掲載されていました。
ご参考になる部分もあるかと思いますので、以下に引用掲載いたします。
1.
2015年の設置以来、指名諮問委員会(当時)は、次期社長や役員の選考と育成を目的とした経営者育成・評価プログラムを策定し、運用している。同プログラムでは、次期社長や役員に求められる資質や人物像を明確にするとともに、複数の候補者を選定し、研修や挑戦的な職務経験などを通じた育成や評価(外部機関を活用した第三者評価、360度評価を含む)を行っている。2019年に就任した現社長は、同プログラムの中での4年間にわたる育成や評価などの結果に基づき選定されている。また、社長の選定基準については、同委員会での議論に基づき、随時の見直しが行われており、次期社長の評価・育成・選定を含む実効的な指名プロセスが構築されている。
2.
指名委員会において選定・再選定・解職の基準及びその手続を定めており、毎年、指名委員会が、単年度の業績、中期の数値目標の達成、後継者の育成、リーダーシップ(360度評価)等を含めた8項目(現在)の評価基準を用いて代表執行役社長の評価を行うこととしている。当該評価結果とサクセッションプランも踏まえて再選定に関する審議(被評価者である代表執行役社長は一時離席)を行っており、代表執行役社長の再任・不再任プロセスの客観性、透明性、継続性が確保されている。また、当該評価結果は、良い点、改善点と合わせて代表執行役社長にフィードバックされ、翌年度以降の経営執行に有効に活用されている。
3.
指名委員会委員長及び取締役会議長がいずれも独立社外取締役である。また、執行側からの提案により、本年度より、指名委員会等設置会社に機関設計を変更し、経営における監督と業務執行の機能・役割を明確に分離し、監督機能を強化するとともに、業務執行については執行役として結果責任を負う体制とし、業務執行・意思決定の品質とスピードアップを図る等、コーポレートガバナンス改革を着実に進めている。
4.
ビジネスモデルをプロダクトアウトのモデルからソリューション型に変え、地域会社含めて事業セグメントを石油・ガス中心のものから3つのセグメント(エネルギー&サステナビリティ、マテリアル、ライフ)に改める等、ビジネスモデルの転換に全社的に取り組んでおり、その中で、設備投資等の成長投資も積極的に行う等、経営陣によるリスクテイクが行われている。また、そうしたビジネスモデルの転換について、現場の理解も深まっている。
5.
PBRやTSRが高水準であり、ROEやROAが上昇傾向にあるなど、高い財務パフォーマンスを実現している。
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それではまた、次回のブログで。
執筆担当:川上 佳子
代表取締役 福島 隆史
公認会計士。2008年、SusTBを設立。企業の自主的かつ健全な情報開示をサポート。
川上 佳子
中小企業診断士。銀行、シンクタンク勤務を経て2002年より上場企業の情報開示を支援。