SusTB communications サスティービー・コミュニケーションズ株式会社

未来に響くコミュニケーションレポートの企画・制作×コンサルティング

HINTサステナ情報のヒント

「ESG情報開示枠組み等の特徴と動向」セミナーの続編が
公開されています

開示基準等

「JPX ESG Knowledge Hub」、活用しておられますか?

JPX(日本取引所グループ)のホームページには、「JPX ESG Knowledge Hub」というページがあります。

この中に【ESG情報開示実践セミナー】というシリーズがあり、ESG評価機関やESG情報開示枠組みに関する最新の情報などについても動画セミナーが随時公開されています。

コンテンツは1本あたり20~30分程度のものが多い(ように見えます)ですし、なにしろオンデマンドですので、空き時間を使っての情報収集にうってつけです。私もいつもお世話になっています…!

 

「ESG情報開示枠組み等の特徴と動向」、待望の続編発表

さて。

この【ESG情報開示実践セミナー】シリーズの中に、「ESG情報開示枠組み等の特徴と動向」があり、私も学ばせていただいたのですが、いかんせん、このセミナー発表時期は2020年11月。4年前ということもあって、最新の動向を知るには他資料をあたるしかなかったのです。

が。

ありがたいことに。

先週木曜日(11月21日)にこのセミナーの続編が動画コンテンツとしてアップされたのです。

↓※資料スライドと動画へのアクセスはこちら

 ESG情報開示枠組み等の特徴と動向(続編)~ ISSB以降を中心に~

 

講師は、前回のセミナーと同じ、Nippon Life Global Investors Europe Plc Head of ESGの林 寿和(はやし としかず)氏です。

 

「ダブルマテリアリティの開示枠組みは併存状態が続いている」

早速視聴したこのセミナー、ISSB以降のサステナビリティ情報開示枠組みについて短時間で要点をおさえて説明してくださっているので、新たに学ぶかたはもちろん、これまでのおさらいをしたい!というかたにもおすすめのセミナーだと私は感じました。

個人的に特に良かったのは、アルファベットスープはまだ解消されていない(道半ば)、と断言されたところでした。

 

ウェブや書籍等の情報では、アルファベットスープは解消に「向かっている」とのニュアンスで説明されることが多いのですが、私、個人的には、ダブルマテリアリティの基準はそのまま残っているよなぁ…と思っておりましたので、我が意を得たり!と感じた次第です。

 

アルファベットスープの解消が道半ばである、と述べられた根拠は下記の通りです:

ISSB以降、シングルマテリアリティをコンセプトとする開示枠組み等は組織統合等が進んだ

他方、ダブルマテリアリティをコンセプトとする開示枠組み等は、相互運用性の確保を目指しつつ、併存状態が続いている

同時に、ISSB設立以降も、ICFDの大成功に触発される形で、特定のサステナビリティ関連トピックに特化したTxFDを開発する動きが広がっているほか、インパクトを貨幣価値換算し財務諸表への組み入れ等を目指すインパクト会計の動きもみられる

(以上、出典はすべて「【ESG情報開示実践セミナー】401:ESG情報開示枠組み等の特徴と動向(続編)~ ISSB以降を中心に~」の「まとめと展望」スライド。太字は元資料にあったもの)

 

そう。そうなんですよね。

CSRDでは先日、域外適用ESRSのドラフトが公開されましたし、TISFDの設立もありました。

ダブルマテリアリティの元祖とも言えるGRIは、ESRSとの連携を強めつつも、先日はSSBJとの間でより良い企業報告に向けた取組みに関する基本合意書(MOU)を締結するなど、ますます基盤を強化しているように見えます。

 

ダブルマテリアリティの開示枠組みについては、引き続き注視していかなければならないな…と改めて感じたセミナーでした。

 

ーーー

それではまた、次回のブログで。

執筆担当:川上 佳子

記事一覧へ