本日(11月13日)、「企業報告の進化とGRIの役割」というセミナーが開催されました。
このセミナーは、
の共催によるものです。
私も参加したかったのですが、手元の仕事の関係で出席できず… でも、せっかくなので当日の資料「【講演資料】サステナビリティ報告、GRI及びGRIスタンダード」を読んでみましたところ、新たな発見がありましたので、取り急ぎ皆さまにご報告いたします。
追記:
このセミナー、後日アーカイブ配信があるそうです!(個人的にホッとしました…)
資料の47ページに、開発中の項目別スタンダードが一覧になっていました。
(以下、画像の出典は「【講演資料】サステナビリティ報告、GRI及びGRIスタンダード」)
1行目の「生物多様性」はすでに、「GRI101:生物多様性2024」として公表されています。
これは「GRI304:生物多様性2016」の改訂版にあたるものです。適用開始は2026年1月1日以降に発行するレポートからですが、早期適用も推奨されています。なお、2024年7月にはTNFDとの「相互運用性マッピング(interoperability mapping)」も発表されました*1。
今後の予定として、次に来るのは「気候変動」です。
年明けの4月以降に公表およびロールアウトとのことで、間もなくですね。
GRIの「気候変動」改訂は、以下を範囲としています。
内容は、新しいものが多そうですね↓↓
新スタンダードは(もちろん)ISSBおよびESRSとの間では整合性とインターオペラビリティの確保に注力するようですが、それ以外にも、CDPやWBA、TCFD、SBTiなど多方面で「整合のために努力」されているようです。
「労働」は、以下の3つのセットに分かれて検討が進んでいます。
セット1: 雇用実務及び条件
セット2: 仕事を持つ生活及びキャリア開発
セット3: 労働者の権利及び保護
セット1は、2025年第2四半期に最終承認の見込みであるほか、セット2と3についても、2025年中に公開協議機関が設定されているなど、こちらもまもなく…というところのようです。
ISSBのS3以降はまだまだ先であることを鑑みると、「労働」に関するGRIの2025年の動きは注目すべきものになりそうです。
引き続き動向を追っていきたいと思います。
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それではまた、次回のブログで!
執筆担当:川上 佳子
*1 TNFDとの整合性のポイントは下記の通りです。(出典:国際開発センター SDGs室「【News】GRIとTNFDが生物多様性報告を容易にする」)
代表取締役 福島 隆史
公認会計士。2008年、SusTBを設立。企業の自主的かつ健全な情報開示をサポート。
川上 佳子
中小企業診断士。銀行、シンクタンク勤務を経て2002年より上場企業の情報開示を支援。