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ドコモ&トヨタ合同PJ「育休目線合わせシート」の
視点になるほど!と思いました

ニュース

本日は、金曜日。

明日から三連休という方も多いようで、都内ではなんとなく嬉しそうな方々の姿を多く見かけます。

心なしか、道路もすでに混雑し始めているような…?

 

こんな日は、ブログも気軽にお読みいただける内容をお届けしたいと思います。

 

「NTTグループの男性育休取得促進への取り組みについて」

NTTグループから発表されたリリース「NTTグループの男性育休取得促進への取り組みについて~「男性育休プロジェクト」への賛同と「育休を考える日」にあたって~」を読みました。

ここには、NTTグループの男性育児休職の取得向上に向けた取り組みが記されています。

そのなかでも、「②育児中社員目線、リーダー目線の2視点VRサービスの開発・提供」などは興味深かったです…!

 

②育児中社員目線、リーダー目線の2視点VRサービスの開発・提供

NTTデータでは、東京大学と連携し、育児中社員(ワーキングペアレント)・育児中社員を持つリーダーの目線を疑似的に体験できるVRコンテンツを用いたサービスを開発しています。

 

育児中社員やリーダーが直面する実際の場面に即したシナリオを数名一組で順に体験・ディスカッションすることにより、育児中社員とその上司・同僚が双方の立場を理解し、育児休業を取得しやすく復帰後も働きやすい職場環境を構築する効果が期待できます。

 

実証実験の結果、約84%の体験者にポジティブな行動変容が認められ、能力発揮に関する従業員エンゲージメント指標を改善することがわかってきました。現在はトライアル利用の相談を受け付けており、今後サービス提供を予定しています。

(出典:NTTグループリリース「NTTグループの男性育休取得促進への取り組みについて~「男性育休プロジェクト」への賛同と「育休を考える日」にあたって~」)

 

ドコモ・トヨタ協業作成の「育休目線合わせシート」が秀逸

上述の2視点VRサービスも面白いのですが、

今回のリリースの中で、私が特に興味を惹かれたのが、「③ドコモとトヨタが協業で作成した「育休目線合わせシート」」でした。

 

NTTドコモでは、2015年度からダイバーシティを軸としたテーマをもとに活動するWG(ワーキンググループ)を行っており、2024年度は全社員のEX(Employee Experience)向上に資する活動に一新して取り組んでいます。

 

2023年度より「男性社員の育休取得促進」テーマに活動したWGメンバーが、育休をきっかけにワークもライフも豊かなものにし、自分らしい生き方を考えよう!という目標を掲げ、トヨタ自動車(株) モノづくり開発センターの皆さんと協業で、「育休目線合わせシート」を作成しました。

(出典:NTTグループリリース「NTTグループの男性育休取得促進への取り組みについて~「男性育休プロジェクト」への賛同と「育休を考える日」にあたって~」)

 

 

こうしたツールには、たとえば内閣府の「家族ミーティングシート」など、さまざまなものがありますが、ドコモ・トヨタ協業作成の「育休目線合わせシート」(以下、「育休目線合わせシート」と記載します)はそれらと一線を画す良さがあると感じましたので、この場をお借りして、お伝えしてみたいと思います。

 

役割分担について話す前段階を丁寧に、じっくりと

さて。

「育休目線合わせシート」は1ページ目に、ちょっとオソロシイ内容が書かれていたりしますが…

今回ご紹介したい点はそこではなく。

 

役割分担をする前に、前提を合わせることに時間と手間をかけている

という点です。

 

詳しくは、実際に育休目線合わせシートをご覧いただきたいのですが、

「平日の育児・家事分担をしよう」はSTEP5にようやく出てくるのがポイントです。

 

そこに至るまでのSTEP1~4は、

STEP1・2が価値観の掘り起こしとすりあわせ、

STEP3が「やるべきこと」の見える化(これがまたすごい!)になっています。

 

個人的には、STEP3からいきなり分担の話(STEP5)に飛ばないところが秀逸だと思いました。

(このワンステップがあるだけで絶対に違いが出てくるはず…!)

 

STEP4がどんなものなのかは、ぜひ実際に育休目線合わせシートをご覧ください。

 

育休を取得する方はもちろん、マネジメント層の方にもお勧め

この「育休目線合わせシート」は、WGメンバーの方々によれば

世の中には、パートナーとの目線合わせツールや、育休取得時のTo Doリストはあるものの、会社にて上司やチームとの目線合わせまで入れたツールがないことに着目し、「それなら自分達で作ってしまおう!」と考えて…

とのきっかけで開発されたようですが、

個人的には、

パートナーとの目線合わせツールとして現状、これ以上のものはないのでは?と思います(※)。

 

※同様の効果をねらったツールとしては、たとえば男女共同参画局の「夫婦が本音で話せる魔法のシート 「○○家作戦会議」」などがありますが、こちらは、(目線合わせといいつつ)「時間の使い方」と「相手への要求」から始まってしまっている点で、「育休目線合わせシート」には及ばないと考えた次第です。

 

 

ひとつ残念な点を挙げるとしたら、

WGメンバーの方々が目指しておられた「上司やチームとの目線合わせ」については、このツールだけではまだあまり実現できないかも、というところはありますが…

そこまでこのツールに盛り込むのはそもそも難しいのかもしれませんね。

 

 

ただ、この「育休目線合わせシート」、

マネジメント層の方々が、育児中のスタッフの方々のことや、違う世代の勤労観などを理解する上では大いに役立つツールでもあると思いますので、

 

まだご覧になったことのない方は、(どのようなお立場であっても)ぜひ一度開いてみられることをおすすめいたします。

本日もお読みいただき、ありがとうございました。

3連休の方、素敵なお休みをお過ごしください。

 

それではまた、次回のブログで。

執筆担当:川上 佳子

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執筆者

  • 代表取締役 福島 隆史

    公認会計士。2008年、SusTBを設立。企業の自主的かつ健全な情報開示をサポート。

  • 川上 佳子

    中小企業診断士。銀行、シンクタンク勤務を経て2002年より上場企業の情報開示を支援。