GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のホームページに本日(8月28日)、
とのお知らせが掲載されました。
2023年度ESG活動報告では、同年度のESGに関する取組みの紹介やポートフォリオのESG評価などに加え、「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)の提言を受けた分析において、新たに「グリーンボンドのグリーニアム分析」や「スコープ3の開示の現状と課題に関する分析」などを行いました。また、昨年度と同様に試行的に「自然関連財務情報開示タスクフォース」(TNFD)の提言に沿った分析も実施しました。
(出典:GPIFホームページ 2024年8月28日「「2023年度 ESG活動報告」を刊行しました」)※太字部分は筆者によるもの
とのことで、盛りだくさんの内容になっているようです。
これから少しずつ読んでいきたいと思います。
本格的に読み始める前に、取り急ぎ、気になったところを1点だけ先にお伝えしたいと思います。
「第二章 ESG・スチュワードシップ活動の効果測定」に「ポートフォリオのESG評価・ESG評価の国別ランキング・ESG評価間の相関」が記載されているのですが、この中で、日本企業のESGスコアの相関関係が徐々に高まっていることが報告されているのです。
(以下の出典は「2023年度 ESG活動報告」p43・46)※太字は執筆者によるもの
ESG評価は、財務分析とは異なり多様な非財務情報を扱うことから、その評価手法については現時点においても標準的なものは確立されておらず、評価会社間でばらつきがあるのが現状で、それを示したのが図表9~10(P.46)です。
図表9は、縦軸にFTSE社、横軸にMSCI社のESGスコアをとり、同一企業に対する2社の2024年3月末時点のESGスコアを示した散布図で、日本企業及び外国企業ともに、ある程度の正の相関が確認されました。図表10は、2017年及び直近5年間(2020年から2023年)の各3月末時点における各ESGスコアの相関関係の推移を時系列で示したものです。日本企業の相関係数は外国企業と比較して低い水準で推移しているものの、ESGスコアの相関関係は徐々に高まっており、外国企業の水準に近づいていることが確認できます。
「S」と「G」については相変わらず、数値で見る限りは相関性が認められないようですが、とはいえ、「G」が今回アップしているのは気になるところです。
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現時点では何の結論もなくて申し訳ないのですが、ESG評価機関についてはお問い合わせをいただくことも多いため、引き続き発見があればこちらでご報告したいと思います。
本日は取り急ぎのご報告のみにて。
それではまた、次回のブログで。
執筆担当:川上 佳子
代表取締役 福島 隆史
公認会計士。2008年、SusTBを設立。企業の自主的かつ健全な情報開示をサポート。
川上 佳子
中小企業診断士。銀行、シンクタンク勤務を経て2002年より上場企業の情報開示を支援。