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GX率先実行宣言に「プラチナグレード」――「名乗る」仕組みが「測られる」仕組みへ動き出す

GX

2026年5月28日、経済産業省「GX需要創出に向けた研究会」の第2回事務局資料が公表されました。

 

GX率先実行宣言には、すでに具体的な宣言が並んでいます。

たとえばサントリーホールディングスは飲料缶やペットボトルにグリーンスチールやグリーンケミカルを使うと宣言し、旭化成ホームズは新築住宅の鋼材を2030年度までに30%グリーンスチールへ切り替えるとしています。

宣言企業は5月26日時点で64社。
この「企業が率先して買うと名乗る」仕組みが、第2回の資料で大きく組み替えられようとしています。

 

前回(第1回)の資料では、見直しの「方向性」が示された段階でした。

今回はそれが、具体的な制度設計へと一段進んでいます。

 

何を買えば評価されるのかが、調達側から見えるように

まず、対象となるGX製品・サービスがリスト化されます(項目①)。水素、アンモニア、SAF、合成燃料、グリーンスチール、グリーンケミカル、グリーンセメント、ペロブスカイト型太陽電池、水電解装置、CO2分離回収設備などが並びます。

これまでは供給側の技術や支援制度の区分で整理されていたため、調達側の企業からは「何を買えばGX需要創出として評価されるのか」が見えにくいものでした。

今回はその入口を、調達側の視点で並べ直す整理といえます。あわせて、削減実績量のルールが整ったグリーンスチールを対象に加える方向も示されています(項目②)。2026年に温室効果ガス削減実績量のガイドラインが整備されたことが、その下敷きにあります。

 

「名乗る」から「測られる」へ

もう一つの軸が、グレードの組み替えです(項目③)。現行のブロンズ・シルバー・ゴールドを抜本的に見直し、事業活動との関連や一定の閾値以上の取組を満たした宣言を「プラチナグレード」として評価する案が示されました。

要件は3種類です。

(A)政府や業界が掲げる調達目標を満たしているか
(B)調達することで排出量がどれくらい削減できるか
(C)全社売上原価に占めるGX製品・サービスの調達金額割合

 

注意したいのは、これが既存グレードの上に一段足す話ではない点です。資料では、現在ゴールドを取得している宣言であっても、閾値を超えるものだけがプラチナを取得できる想定とされています。線が一段上がるというより、引き直される、という整理です。

 

予算は「買う・使う企業」を後押しする方向へ

プラチナグレードは、予算とも結びつけられようとしています。令和8年度のGX関連予算では、すでに中小企業を除き、GXフューチャー・リーグへの参加が横断的な応募要件とされました。そのうえで今回は、プラチナグレードの取得を個別予算の加点要素とする案が示されています。

GX製品をつくる企業だけでなく、買う・使う企業が政策の中で評価される。本ブログでたどってきた「つくるから買う・売るへ」という流れが、評価の物差しを伴ってもう一歩進んだ格好です。

これらはまだ案であり、6月中に中間的なとりまとめが行われる予定です。

「率先して買う」と名乗れば入れた仕組みが、「どれだけ買い、どれだけ減らせるか」を測れなければ上がれない仕組みへ動こうとしています。では、その物差しは誰が、何をもとに握るのか。次の段階で見えてくることになりそうです。

 

お読みいただき、ありがとうございました。
それではまた、次回のブログで。

 

執筆担当:川上 佳子

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