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「最後の一口」を価値に変える ― Too Good To Goがひらく食品ロス削減のしくみ化

サーキュラーエコノミー / ニュース / 資源循環

この記事の3つのポイント

  • 欧州発の食品ロス対策アプリ「Too Good To Go」が2026年に日本参入予定
  • 既存の「TABETE」との違いは、売れ残りの最終出口をAIでつくる仕組み
  • ロス削減を「善意」から「収益化」と「顧客接点」へ変える時代のヒントに

「最後の一口」をどうするか?への新たな選択肢

デンマーク発の食品ロス対策アプリ Too Good To Go(トゥーグッドトゥーゴー) が、2026年をめどに日本でサービスを開始します。

このアプリは、飲食店やコンビニで売れ残った商品を定価の3分の1程度(※日本での報道値)で販売し、消費者はアプリを通じて決済・受け取りを行うという仕組み。

欧州ではスターバックスやカルフールなどが参加し、すでに1億人以上のユーザーが利用していているそうです。グローバル平均では「定価の半額以下」が一般的な価格設定とのこと(!)。

 

特徴的なのは、中身を選べない「サプライズバッグ」方式を採用している点です。

店舗側は残った商品をまとめて詰めておくだけ。アプリ上では、AIが商品の経過時間や在庫状況に応じて価格を調整します*1
こうして、「何が残るかわからない」在庫の偶然性をデータで制御し、最後の一口まで売り切るための最終出口を生み出しています。

 

TABETEとの違いは、「拾うタイミングと「設計思想」

すでに日本では、スタートアップのコークッキング社による「TABETE」が知られています。
(不二家やホテルチェーンなどが導入し、おいしく食べてロスを救うという温かい仕組みを展開しています)

では、Too Good To Go(以下、TGTG)は何が違うのでしょうか?

 

両者を比較すると、それぞれが異なるタイミングの食品ロスに対応していることが見えてきます。

 

観点 Too Good To Go TABETE
価格設定 定価の約3分の1
(AIが動的に調整)
(グローバル平均は半額以下)
店舗が自由に割引価格を設定
(例:100〜2,000円台)
商品内容 サプライズバッグ
(中身を選べない)
商品を選べる
出品タイミング 廃棄直前の「最終出口」 消費期限が迫る「早期出口」
店舗負担 まとめ出品で省力化 商品ごとの登録が必要
主眼 廃棄防止・在庫収益化 消費者との温かい接点づくり

 

このように比較してみると、
TABETEが「まだ売れる商品を救う」のに対し、
TGTGは「もはや店頭では売れない商品を救う」仕組みであることが見えてきます。

ひとことで言い換えるならば、

- TABETEは「予防線」

- TGTGは「最後の防波堤」

といったところでしょうか。

 

つまり、両者は競合ではなく、時間軸の異なる補完関係にあると言えそうな気がします。

 

ロス率ではなく「収益化率」をKPIにできる可能性?

これまで食品ロス削減は、「どれだけ廃棄量を減らせたか(ロス率)」で評価されてきました。

ですが、TGTGのようにAIとデータを活用すれば、

- 売れ残り商品のうち、何%を販売に転換できたか

- サプライズバッグ購入者のうち、何%が再来店・追加購入したか

のような形の、新しいKPI設計が可能になるかもしれません。

こうしたデータを継続的に取ることで、環境(E)と経済性(G)を両立したKPIとして機能します。
また、「食品ロス=コスト」ではなく、「売上や顧客接点の創出機会」として説明できることは、ISSBやSSBJが求めるリスクと機会の両面開示の観点にも一致していると言えそうです。

 

廃棄を「どう減らすか」から「価値にどう変えるか」へ

TGTGとTABETE。
一見似ているように見えますが、それぞれが異なるフェーズの食品ロスを拾う仕組みであり、共存することで循環型のロス対策インフラとして進化していくことが期待されます。

サステナビリティを、「やさしさ」だけでなく「しくみ」で支える。
Too Good To Goの日本上陸は、私たちにその可能性を提示してくれているように思います。

 

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今週もお読みいただき、ありがとうございました。

それではまた、次回のブログで。

 

執筆担当:川上 佳子


*1:導入国や小売業態により運用方法は異なります。

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