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テフロンを食べてダイエット?! ――イグノーベル賞から考えるPFASとサステナニュースの語り方

ニュース / リスクマネジメント / 勉強用(初学者様向け) / 品質・安全

この記事の3つのポイント

  • イグノーベル賞で「テフロンを食べる研究」が受賞し、PFASという素材の名前が思わぬ形で話題に上った
  • 驚きニュースは社員や社会の関心を高める“サステナ話題の入口”として活用できる
  • ただしPFASは規制・信頼に直結する課題であり、笑い話にせず「どう語るか」はサステナ担当者さまの腕の見せどころ

 

「テフロンを食べてダイエットできる?」――そんな研究が、2025年のイグノーベル賞・化学賞を受賞しました。

ラットにポリテトラフルオロエチレン(PTFE=テフロン)を食事に混ぜて与えると、体重が減り、毒性も見られなかったという報告。もちろん、これはラットでの試験結果であり、ヒトの安全性や規制当局の承認が得られているわけではありませんが… まさにイグノーベル賞らしい、驚きのニュースではあります。

 

PFAS問題についてご存知のサステナビリティ担当者さまであれば眉をひそめるであろう話題ではありますが、こうしたニュースは社内外で話題にしやすく、「サステナビリティの話題に社内の方々を引き込む格好の入り口」にもなり得ます。

また、PFASという素材が環境リスクや規制の文脈で注目され続けている現実を踏まえると、笑い話として終わらせずにどう語るかも、サステナビリティ担当者さまの腕の見せ所にもなるとも言えるのではないでしょうか。

 

PFASの特性とリスク

ここで扱われたPTFEは、OECDの構造定義ではPFAS(フッ素ポリマー)に含まれます。一方、PFASの定義は機関により幅があるため、本稿では“PFASの代表的素材”という上位概念で扱います。

耐熱性や撥水性、化学的安定性に優れ、調理器具や産業部材などで広く利用されています。しかし、その“壊れにくさ”こそが問題視されてきました。環境中で分解されにくく、体内にも残留する可能性があるため、「永遠の化学物質」と呼ばれ、欧州を中心に規制が加速しています。

つまり、実験では「無害だった」とされる性質が、別の文脈では「環境リスクの根源」として扱われているのです。便利さとリスクが表裏一体であることを、このニュースは改めて浮き彫りにしています。

 

社内の話題づくりにどう活かすか

サステナビリティの話題は、どうしても堅くなりがちです。社員への浸透に苦労されている担当者さまも多いでしょう。その点、「テフロンを食べる研究がイグノーベル賞を取った」という話題は格好の入口になる話題であるとも言えます。

たとえばお昼休みなどに、「こんな研究が受賞したらしいよ」と共有すれば、誰もが驚き、笑いながら耳を傾けるでしょう。

そこから「実はこのテフロン、PFASの仲間で、いま世界的に規制が強まっているんだよ」と展開できれば、難しい制度説明をするよりも、はるかに関心を引きやすくなります。社内の方々にとって、PFAS規制を「自分ごと化」するきっかけにすることができるかもしれません。

 

とはいえ、笑い話で終わらせないために

ただしこの話題、面白さだけで終わらせてしまうのは危険ではあります。

PFASは今、世界中で社会的関心を集めるテーマです。ちょうど同じ時期、国内外のメディアでダイキン工業さんのPFASに関する血液検査をめぐる報道もありました(詳細は各紙報道をご参照ください)。

 

ここで大切なのは、「事実関係の断定」ではなく、PFASというテーマそのものが企業の信頼や社会的評価に直結する課題として注目されている、という現実です。

つまり、ユーモアを伴う話題をうまく活用しながらも、必ず「規制や安全性の議論につながる深刻さ」をセットで伝える。これこそが、サステナビリティ担当者さまに求められる力量ではないでしょうか。

 

結びに

投資家や社会は、ときにこうした“突飛な研究”にもPFASの新しいリスクや機会を見てしまうもの。だからこそニュースをどう語るかは、企業にとっても重要な力です。

「プラスチックを食べるダイエット」というニュースは、サステナビリティの文脈では突飛であり、「とんでもない話」に見えます。

ですが、見方を変えれば、驚きや笑いを呼ぶ題材は社員や投資家に「なぜPFASが問題なのか」を伝える格好の機会。

突飛な話(←だからこそニュースになる)をきっかけに、社会が注目するリスクと規制の本質を伝える――サステナビリティ担当者さまがそのように視点を変え、ニュースを活用することは、社内の関心を高め、外部からの信頼を獲得することにもつながるのではと存じます。

 

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本日もお読みいただき、ありがとうございました。

それではまた、次回のブログで。

 

執筆担当:川上 佳子

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