「昔はさ、会社で運動会があってね」
「朝は全員でラジオ体操してから仕事だったよ」
そんな“昭和の職場あるある”を耳にしたことはありませんか?
ええ…そんなのめんどくさい!と思われがちなこれらの行事って、
実は今、「人的資本経営」や「健康経営」の最前線施策としてアップデートできるかもしれません。
今回は、「昭和の職場文化」を“令和流”にアップデートしながら、企業価値にもつながる健康施策としてリブートするアイディアをご紹介します。
スポーツ庁の最新調査によれば、職場で運動・スポーツの取り組みがある企業では、従業員の幸福感が有意に高いという結果が出ているのだそうです。
出展:経済産業省 第6回 健康・医療新産業協議会 資料4 スポーツ省説明資料
つまり、ちょっとした朝のストレッチや体操、ウォーキングイベントでも、“日常のちょっとした運動”が従業員のWell-beingに大きな影響を与えることがわかってきたのです。
ならば——かつてのラジオ体操を、「令和版」にしてみるのはどうでしょう?
たとえば、
- Zoom配信で“オンラインラジオ体操”?
- YouTubeで人気の10分ストレッチを毎朝社内で再生?
- 参加したらポイントが貯まる、健康インセンティブ制度?
動画コンテンツも豊富な今なら、手軽に実施できる取り組みをいろいろと考えることができそうですね。
部署対抗のソフトボール大会や運動会も、”昭和”の企業ではよくありました。
これを今実施するなら、運動能力を競うよりも、「誰でも楽しめる参加型」にするのが良いでしょう。
たとえば・・・
- VRスポーツやeスポーツを使った“バーチャル運動会”?
- チーム対抗の歩数対決やウォーキングラリーイベント?
ちなみに、先ほどご紹介したスポーツ省の資料では「運動・スポーツを活用した取組」のなかに「イベントやプログラムの実施」も挙げられています。
そして、スポーツ庁が職場での運動促進を表彰する制度「Sport in Lifeアワード」では、令和6年度受賞団体(企業部門)では次のような取り組みがされていました。令和版”運動会”にできそうな取り組みもありますね!
株式会社南九州ファミリーマート
社員と地域の皆様のウェルビーイングのためのウォーキングイベントをはじめ「する」「みる」「ささえる」スポーツ活動の実践
LINEヤフー株式会社
データドリブンでスポーツ実施者UP「グッドコンディションボーナス」
古郡建設株式会社
自社トレーニングジム完備やイベントの開催で運動機会の創出
出展:経済産業省 第6回 健康・医療新産業協議会 資料4 スポーツ省説明資料
運動会はいまや、「懐かしいだけの行事」ではありません。
ウェルビーイングや人的資本価値の向上に、定量的・政策的な裏付けをもって貢献できる“戦略施策”にもなり得る——そのように考えると、「昭和の職場文化」を“令和流”の健康施策へとアップデート&リブートする意欲がわいてきませんか?
ラジオ体操も、運動会も、かつては“やらされるもの”でした。
でもいま、それらを「戦略的に取り入れる」ことが、企業の人的資本価値を高めるアクションになり得る時代が到来しています。
- 経営者のコミットメントと連動しているか?
- データに基づいてPDCAを回せる設計になっているか?
- 従業員の「やらされ感」を減らし、楽しみながらできるか?
こうした問いに向き合いつつ、“令和版ラジオ体操”や“スマート運動会”を実装してみませんか?
それはきっと、働く人の笑顔だけでなく、企業の未来にも効いてくるのではと思います。
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本日もお読みいただき、ありがとうございました。
それではまた、次回のブログで。
執筆担当:川上 佳子
代表取締役 福島 隆史
公認会計士。2008年、SusTBを設立。企業の自主的かつ健全な情報開示をサポート。
川上 佳子
中小企業診断士。銀行、シンクタンク勤務を経て2002年より上場企業の情報開示を支援。