さて、今年も大型連休がスタートしましたね。
通勤電車も少し空き、街にも休暇ムードが漂っています。
当ブログはカレンダー通り「平日毎日更新」ですが、
今週は特別編として、
「GWおすすめの過ごし方プラン」~サステナビリティ&IR風味~
をお届けしたいと思います。
第1弾となる今回のおすすめは、
話題の映画「教皇選挙」です。
ベールに包まれた「コンクラーベ」(教皇選挙会)を
静かに、しかし力強く描いた本作。
ちょうど現実世界でも教皇フランシスコの逝去に伴い、
次期教皇を決める実際のコンクラーベが行われるタイミングと重なり、
世界中で注目を集めています。
今週、世界の注目が集まっているのは第266代ローマ教皇フランシスコの死去や5月上旬にも始まる次期教皇を決める教皇選挙会(コンクラーベ)だ。
例えば、米調査会社によるとアカデミー賞脚色賞を受賞した映画『教皇選挙』のストリーミングサービスでの視聴回数は教皇フランシスコの死亡が発表された後、4倍近くに伸びた。
出典:日経電子版『ローマ教皇の「レガシー」はESG コンクラーベに市場注目』(2025年4月24日)
私も先日鑑賞してきましたが、
予約の段階から映画館の座席はかなり埋まっており、当日券はほぼ皆無。
観に行かれる方は、早めのご予約をおすすめします。
映画のあらすじをお話するわけにはまいりませんので、
ここでは、映画の中で象徴的に使われる「色」について、お話いたしましょう。
本作で印象的に使われている色、それが
それは、
枢機卿(ローマ・カトリック教会の高位聖職者)たちがまとう衣の色
——「赤(カーディナル※・レッド)」です。
※カーディナル(cardinal)とは、「枢機卿」の意味。
一見、同じ「赤」に染まった彼らですが、
信仰、権力、闘争、聖なる使命──
実際には、胸に抱く思いはそれぞれ異なり、複雑に交錯しています。
映画のある印象的なシーンでは、
この「赤」の内側に広がる葛藤や多様性、
そして寛容とは何かが、静かに問いかけられます。
鑑賞される際は、ぜひこの「赤」に込められたメッセージにも、注目してみてください。
映画鑑賞のついでにもう一つ。
丸紅東京本社で現在公開中の特別展示、
ボッティチェリ「美しきシモネッタ」特別公開 もぜひ訪れてみてください。
舞台は、15世紀イタリア・フィレンツェ。
「ルネサンスの春」の象徴でもあった伝説の美女、
シモネッタ・ヴェスプッチをモデルに描かれたこの肖像画。
彼女は深い赤の衣装に、青い髪飾りを身に着けています。
この赤と青の組み合わせは、本来、聖母マリアを象徴するもの。
彼女の姿もまた、「純潔」や「聖なるもの」の象徴として捉えられるでしょう。
けれども。
注意深くその表情を見つめると、
そこには、美しさや聖なるものの「象徴」としてではない、
ひとりの存在としての、かすかな諦念が滲んでいるようにも感じられました。
若くして「ミューズ」とされ、期待を背負わされた彼女は、
本当にそれを望んでいたのでしょうか——。
赤に惑わされず、個の存在を見つめ直すこと。
それは、サステナビリティや人的資本経営において、
「個」を尊重する目を養うトレーニングにも通じると感じました。
・・・などといううがった解釈はさておくとしても、
この名画は、今しか見られない(通常は公開されていません)、貴重な機会。
ぜひこの連休中に足を運んでみてください。
サステナビリティや人的資本経営の本質は、
「見えやすい色やラベル」に惑わされず、
個々人の存在を尊重し、多様な声を受け止めること。
映画『教皇選挙』とボッティチェリ『美しきシモネッタ』は、
そんな視点を養うための、絶好の旅路を提供してくれる…と私は思います。
よろしければぜひ、連休のプランのひとつとしてご検討ください。
次回は、
「忙しくて近場にしか行けない方」のためのおすすめプランをご紹介します!
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。
執筆担当:川上 佳子
代表取締役 福島 隆史
公認会計士。2008年、SusTBを設立。企業の自主的かつ健全な情報開示をサポート。
川上 佳子
中小企業診断士。銀行、シンクタンク勤務を経て2002年より上場企業の情報開示を支援。