明日(3月8日)は、国際女性デー(International Women’s Day)です。
国際女性デーは毎年3月8日に世界各地で祝われ、女性の権利とジェンダー平等を訴える日です。その起源は20世紀初頭の女性参政権運動にさかのぼりますが、国連が公式に3月8日を「国際女性デー」と定めたのは1975年、つまり、ちょうど50年前のことでした。その後、1977年には国連総会で正式に決議され、各加盟国に対して女性の完全かつ平等な社会参加の促進を呼びかける日となっています。
この50年で世界の女性を取り巻く状況は大きく変化しています。例えば、1970年当時は女性が男性の半分未満の法的権利しか持たない国も多かったのが、今日では約4分の3まで改善されました。女性の高等教育進学や労働参加も各地で進み、女性の権利向上は人権課題として広く認識されるようになりました。
一方で、依然として道半ばの課題も残ります。世界経済フォーラムの報告では、現在のペースでジェンダー格差を解消するにはなお134年かかる*1とされています。
特に日本では2024年のジェンダーギャップ指数が146か国中118位と主要国の中で最低水準*2が続いています。
このように、世界的に見てもジェンダー平等の実現には長期的な取り組みが必要であり、国際女性デーは毎年その課題を再認識し行動を促す機会となっています。
国際女性デーを象徴する花として知られるのがミモザです。
特にイタリアでは、3月8日を「ミモザの日(Festa della Donna)」とも呼び、男性が日頃お世話になっている身近な女性(母親・妻・同僚・友人など)へ感謝と敬意を込めてミモザの花束を贈る伝統があります.
なぜミモザが選ばれたのか、その由来は第二次世界大戦後のイタリアにさかのぼります。1946年、イタリア女性組合(UDI)の理事であったテレサ・マッテイは、国際女性デーのシンボルとして当時身近で入手しやすかった花であり、力強い生命力をもつミモザの花を提案しました。
当時フランスではスミレの花が女性連帯の象徴とされていましたが、戦後の貧しいイタリア農村部ではスミレは高価で希少だったため、マッテイは鮮やかな黄色で香りも良く、その時期にどこでも手に入るミモザに白羽の矢を立てたのだそうです。
このエピソード以降、ミモザの花は女性の強さとやさしさ、感謝の気持ちを象徴するものとなり、イタリアをはじめ世界中で国際女性デーのシンボルとして定着しました。最近では日本でも春先にミモザを目にする機会が増え、国際女性デーに合わせてミモザの花を飾ったり贈ったりする企業や個人も多くなっています。
本日、そして週末には街中でミモザの花を多く見かけるかもしれませんね。
その時にはぜひ、国際女性デーにもそっと思いをはせてみてはいかがでしょうか。
それではまた、来週のブログで。
執筆担当:川上 佳子
*1 WEF 「International Women’s Day: What is it and why do we need it?」(2025年2月28日)
*2 朝日新聞SDGs ACTION!「【ジェンダーギャップ指数】日本、2024年は世界118位で低迷続く 政治・経済に課題」(2024年6月12日)
代表取締役 福島 隆史
公認会計士。2008年、SusTBを設立。企業の自主的かつ健全な情報開示をサポート。
川上 佳子
中小企業診断士。銀行、シンクタンク勤務を経て2002年より上場企業の情報開示を支援。