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HINTサステナ情報のヒント

ダイバーシティについてどう書けばいいかわからないときのヒントになる資料②

DEI / 人的資本開示 / 勉強用(初学者様向け)

前回のブログに続き、サステナビリティ開示(特に項目やページの構成)を作るときに役立ちそうな経済産業省の資料のお話です。

前回は

の見どころをご紹介しましたが、今回は

についてご紹介します。

 

ダイバーシティ・コンパスの見どころ

ダイバーシティ・コンパスとは、「ダイバーシティ経営を進める先に実現したい未来を再定義し、道のりを確認できる*1」ツールです。

 

ちなみに、策定と公開にあたってはこんな思いがあったようで。

私たち経済社会政策室は、これまで企業の皆様のダイバーシティ経営を促進してきましたが、改めて原点に立ち返り、何のためにダイバーシティを推進するのかを考え、目指す姿や指針をコンパスの形で整理しました。今後は、企業様がダイバーシティ経営を行う際にも自社の目指す姿や現在の取り組みの確認をしていただけるようなものとして、このプロトタイプをブラッシュアップしていきます。今後、コンパスの見方や使い方を順次アップしてまいります。

(出典:経済産業省「ダイバーシティ・コンパス」)

 

「自社の目指す姿や現在の取り組みの確認をしていただけるようなもの」と言われているだけあって、活用する企業が、自身の課題や状況に応じて「各層の文言を修正」し「社員同士のディスカッション等によりコンパスを作成していく」という、自分たちで完成させるツールになっているのがポイントです。

 

ダイバーシティ・コンパスの構造

コンパスは、こんな構造になっています。

中心
ダイバーシティを進める先に実現したい未来(ビジョン)
企業がダイバーシティ経営を進める先に何を求めるか(=経営戦略とDE&Iの繋がりの文章化)

2層目
ビジョンを実現するためのミッション

3層目
企業が取り組む行動指針
外側は、行動指針に関する現状の取組を確認するための「問い」

 

 

デフォルトで入っている文言も結構いいですよ

これは自分たちで完成させるツールですのでデフォルトの文言をそのまま使うものではないのですが、サステナビリティ開示(特に項目やページの構成)を作るときに役立てる…という意味では、デフォルトをざっと眺めてみるのもご参考になるかと思います↓

VISION

コンパスの1層目(中心)の部分です。

ここには、企業がダイバーシティ経営を進める先に何を求めるかを書きます。
(つまり、経営戦略とDE&Iの繋がりの文章化)

ちなみに、デフォルト(経産省)はこんなふうになっています。

誰もが意思やビジョンを追求でき、能力が最大限に発揮される、柔軟で強い経済

働く。育てる。遊ぶ。生きる。
自らの選択で、自分の個性を活かし、意思を追求できる。
性別や、育児、学歴、家族構成、あらゆる個性がハンデにならず、誰もが自分らしく働き、最大限の能力が発揮される社会。多様性の時代において、そんな社会が生産的で、真に強い経済を実現すると考えています。
私たちは、ひとりひとりの多様性が受容され活躍する障壁を緩和する環境づくりや仕組み、様々な支援を通じて日本企業を支援します。

 

以下、引用いたします。

ORGANIZATION(企業・組織の面で成し遂げたいこと)

多様性をかけあわせて持続性・成長性を高める

多様な人材の能力やスキルを掛け合わせることで、企業・組織におけるイノベーション力や生産性が高まると考えています。そのために必要なリーダーシップ、コミュニケーション、人事制度、働く仕組みや風土の醸成を後押しするような施策を進めていきます。

 

▼CULTURE (多様性を受容する文化)

Q:昇進したくなる組織風土を醸成できていますか?

Q:多様な人材を重要なポジションに登用していますか?

Q:属性によらず仕事の責任・裁量を決めていますか?

 

▼SYSTEM (多様な個が柔軟に活躍する仕組み)

Q:柔軟な働き方は認められていますか?

Q:どんな人も成長・キャリアアップの機会はありますか?

Q:働く人の健康を高める施策は整っていますか?

Q:採用・昇進における判断基準は明確ですか?

 

▼LEADERSHIP (多様な個の特性を活かすリーダーシップ)

Q:多様なキャリアパスは整っていますか?

Q:柔軟な働き方を平等に提供できていますか?

Q:人材の特性を理解し配置されていますか?

 

INDIVIDUAL(個人の行動指針) 

その人らしく活躍するための障壁を取りのぞく

ひとりひとりの能力やスキルを最大限に発揮して、個々が自分らしく活躍できる社会が、より強い経済を実現すると考えています。そのためには、生まれや属性が壁にならない柔軟な社会環境の整備、生活と仕事の両立の支援など、多様な個人の活躍を後押しする施策を進めていきます。

▼COLLABORATION (多様な人が仕事と生活を両立する協力)

Q:性別によらずに家庭の役割を決めていますか?

Q:家事や育児を抱え込まずアウトソースを考えていますか?

Q:親世代の常識に捉われない新しい育児を考えていますか?

 

▼WILL (多様な個それぞれの思考の追求)

Q:得意を活かしてやりたいことを描く機会はありますか?

Q:属性や状況によらずキャリアを主体的に考えていますか?

Q:必要以上に心配せず周囲に協力をお願いしていますか?

 

▼COMMUNICATION (偏見のないコミュニケーション)

Q:学歴・職歴で判断せず、共に仕事を進めていますか?

Q:どんな国籍・文化の人とも等しく接していますか?

Q:属性・価値観の違いを理解しようとしていますか?

 

まだ時間があるならダウンロード&討議もおすすめ

まだ2月ですので、開示までお時間がある企業様もあるかもしれません。

その場合、資料をダウンロードして社内でディスカッションをされるのも、もちろんおすすめです。

 

 

 

ダウンロードはこちらから。

 

 

それでは、また次回のブログで。

 

執筆担当:川上 佳子


*1 出典:経済産業省「METIジャーナルオンライン」METI解体新書 多様な人材が個人の能力を発揮できる社会を作る (2024年7月18日)

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