2025年は2月3日、本日が立春です。
暦の上でも春を迎えると、多くの方々が気になり始めるのは「花粉症」ではないでしょうか。今年は、2月後半になるとあたたかい日が増え始め、飛散量も増えそうなのだとか…。早めの対策が必要かもしれませんね。
さて。
サステナビリティと花粉症対策は関係ないだろうと思われるかもしれませんが、実は結構関連がありそうですよ、ということを本日はお伝えしてみようと思います。
実は、花粉症対策って今、日本が国をあげて取り組んでいるのです。
2023年には、「花粉症に関する関係閣僚会議」が設置されました。
設立趣旨は↓
花粉症問題の解決に向けては、これまで長い間、各省庁で取組が行われてきたが、花粉症の有病率は令和元年(2019 年)時点で4割超にのぼるとの関係学会 の調査データもあるなど、花粉症は未だ多くの国民を悩ませ続けている社会問題と言える。
この問題に対処するためには、関係省庁の縦割りを排し、様々な対策を効果的に組み合わせて実行していくことが重要であり、また、一朝一夕で解決するものではなく、息の長い取組が必要である。
このため、本年4月に「花粉症に関する関係閣僚会議」を設置し、実態把握を進めるとともに、花粉症という社会問題を解決するための「対策の全体像」を明らかにすることとしたところである。本全体像は、来年の花粉の飛散期を見据えた施策のみならず、今後 10 年を視野に入れた施策も含めて、花粉症という社会問題を解決するための道筋を示すものである。
(出典:内閣官房ホームページ「花粉症対策の全体像」花粉症に関する関係閣僚会議決定 令和5年5月30日 )
花粉症対策は、
を三本柱としていています。
「三本柱」の筆頭に挙げられているのが「発生源対策」で、こんなふうに10年計画でスギの人口林を減らすことが計画されています。
イメージとしては、こちらのほうがわかりやすそうです↓
(出典:住友林業「建材マンスリー」2024年4月号)
花粉症の原因を「もとから断つ」ことに力を入れるのですね。
2023年10月からは、対策の初期段階として「花粉症対策 初期集中対応パッケージ」が実施されてきたのですが、ちょうど先週(1月30日)に、そのフォローアップ結果が発表されました。
スギ人工林の伐採を進める計画が進展しています。東京都では「花粉の少ない森づくり運動」が始まっていて、その取り組みの中には「企業の森」があります。こうした制度を活用している活動がある場合、サステナビリティレポートやウェブサイト等でも発信していくのがよさそうです。
森の「保全」という意味でも、情報発信の際に気を付けることがありそうです。
スギを伐採するということはそれを活用しなければならないということで、その基盤整備も進んでいる*1 現在の環境下では、木材の活用についても、背景の文脈込みで説明することが望ましいでしょう。
森、と聞くと、サステナビリティ文脈では「保全」がどうしても先に発想されるため、木材の伐採や活用の発信はしづらい思われる*2かもしれませんが、上述の背景込みで発信する場合はむしろプラスの情報発信になると考えられますので、文脈をおさえておかれるとよいのではと思います。
最後に、花粉症つながりでまったく別の話題をひとつ。
この時期に旬を迎えている、花粉症対策にもおすすめのフルーツは「八朔(はっさく)」です。
名前の由来も立春と関係がある*3このフルーツ、甘みと酸味のほかに、ほのかな苦みがあるのが特徴です。この苦みのもとである「ナリンギン」という成分には抗アレルギー効果があり、花粉症の症状緩和に役立つそうです。
ナリンギンはグレープフルーツにも多く含まれていますが、みずみずしくておいしい国産グレープフルーツの旬は4~5月と少し先ですので、この時期は八朔がおすすめです。
ナリンギンを多く含む皮ごとママレードにして食べるのが特に良いので、よろしかったらおためしください。あ、はっさくママレードを手軽に食べるなら、広島の新銘菓「はっさく大福」*4もおいしいですよ!
ナリンギン豊富なフルーツも使って花粉症対策を進め、忙しい春の時期をすこやかにお過ごしください。
それでは、また次回のブログで。
執筆担当:川上 佳子
*1 一昨年(2023年)12月からは「住宅生産者の国産材使用状況」等の公表が開始しており、年(2024年)3月からは、「国産木材活用住宅ラベル」の運用が始まっています。
*2 本来は森林には手を入れなければならないので、伐採も木材の活用もあるべきことなのですが、イメージ先行で「保全」=「使わない」となりがちだという話です。
*3 「八朔(はっさく)」とは、旧暦の8月1日のこと。「八朔」は、立春から210日後の「二百十日」、220日目の「二百二十日」とともに、農家の三大厄日といわれます(台風が多く襲来する時期のため)。なお、果物の八朔にこの名がついたのは、
みかんの一種である八朔は、1860年頃に広島県因島の寺の境内で偶然発見され、それを食べた寺の住職が「8月1日頃(現在では9月初め頃)には食べられる」といったことから、「八朔」と呼ばれるようになったそうです
ことが由来だそうです。(出典:八朔(はっさく)の日)
*4 昨日(2月2日)の日経電子版には『広島みやげ「はっさく大福」首位 もみじまんじゅう超え』という記事が載っていました。かつては因島でしか食べられなかった(ちなみに私は、これを食べるためだけにしまなみ海道サイクリングに行ったことがあります)と記憶していたのですが、今ではすっかり有名になったのですね。東京では、ひろしまブランドショップで買えると思います。
代表取締役 福島 隆史
公認会計士。2008年、SusTBを設立。企業の自主的かつ健全な情報開示をサポート。
川上 佳子
中小企業診断士。銀行、シンクタンク勤務を経て2002年より上場企業の情報開示を支援。